Instagramで紹介した「海上レストランを舞台にした実写化動画」は、ロケも撮影もしていません。
この記事では、約86秒の動画を作るまでの流れと、実際に使える台本・画像生成プロンプト・動画生成プロンプトをまとめます。
完成までの流れは、次の4ステップです。
- ChatGPTで物語の台本を作る
- 台本を12個のシーンに分ける
- 各シーンの実写風画像を作る
- Kling AIで画像を動かし、編集アプリでつなぐ
難しそうに見えますが、一つずつ作れば初心者でも進められます。
今回使ったもの
- ChatGPT:構成、台本、画像の作成
- Kling AI:静止画から動画を生成
- CapCutなどの編集アプリ:動画の結合、字幕、BGM、効果音
今回は、ChatGPTで作った画像をKling AIに読み込ませる「画像から動画」の方法を使いました。
STEP1:ChatGPTで実写化用の台本を作る
最初から細かいセリフまで考える必要はありません。題材、長さ、雰囲気、結末をChatGPTへ伝えます。
台本作成プロンプト
海上レストランを舞台にした有名な海賊アニメのエピソードを、
実写映画風の縦型ショート動画にしたいです。
空腹の海賊に料理を渡す場面から始まり、
敵の襲撃、主人公の戦い、料理人の旅立ちまでを描いてください。
条件:
・動画は60〜90秒
・重要な出来事だけを残す
・前後のつながりが分かる構成にする
・映像だけでも状況が伝わるようにする
・セリフは短くする
・実写映画にしやすい場面を優先する
まず、物語全体の台本を作成してください。
不確かな設定やセリフは断定せず、必要なら私に確認してください。
作品名だけで任せきるより、「どこから始めるか」「何で終わるか」「何秒にするか」を指定すると、動画にしやすい台本になります。
実際に出力された台本を下記に載せます。
海上に浮かぶ巨大なレストラン「バラティエ」。
男性が、バラティエを背景にカメラへ話しかける。
男性
「今日は、海上レストラン・バラティエに来ました。」男性
「さっそく、中に入ってみましょう。」男性が入口へ向かう。
扉を開けると同時に、カメラが店内へ切り替わる。床に倒れ、空腹で動けなくなっているギン。
サンジがギンの前に料理を置く。
サンジ
「食え。」ギンが料理をかき込みながら、涙を流す。
場面が切り替わる。
麦わら帽子をかぶったルフィが現れる。
次の瞬間、ドン・クリークの海賊船がバラティエへ襲来。
ルフィとドン・クリークの戦闘。
ルフィの攻撃。
ドン・クリークの武器。
爆発する店内。
吹き飛ぶ瓦礫。テンポよく切り替える。
戦いが終わり、静かな厨房。
コックたちがサンジの作ったスープを飲む。
コック
「まずい。」別のコック
「こんなスープ、飲めるかよ。」厨房の扉の向こう。
その会話を聞きながら、静かにうつむくサンジ。
場面が切り替わる。
バラティエの入口。
サンジが、ゼフとコックたちの前で地面に頭をつける。
サンジ
「オーナーゼフ……!」一瞬の静寂。
サンジ
「くそお世話になりました!」
STEP2:台本を12シーンに分ける
台本が完成したら、1本の長い文章をそのまま動画にせず、短いシーンへ分解します。
シーン分割プロンプト
今作った台本から重要な場面を抜き出し、12個のシーンに分けてください。
各シーンには、次の内容を入れてください。
・登場人物
・場所
・人物の動作
・表情や感情
・カメラに映る決定的な瞬間
1シーンは3〜6秒程度で、前のシーンから自然につながる順番にしてください。
今回の12シーン
- 海上レストランに到着する
- 金髪の料理人が空腹の海賊へ料理を渡す
- 麦わら帽子の青年が料理人の優しさに気づく
- 3人で伝説の海について語る
- 傷ついた海賊が武装した船長を連れて戻る
- 老料理長が海賊たちへ大量の食事を差し出す
- 麦わら帽子の青年が海賊団へ立ち向かう
- 金髪の料理人と、恩を感じる海賊が戦う
- 重装備の船長へ、傷だらけの青年が何度も挑む
- 青年が身体の伸びる力を使って船長を甲板へ叩きつける
- 戦いの後、料理人たちがスープを捨て、金髪の料理人が扉の外で聞く
- 金髪の料理人が老料理長へ別れを告げる
STEP3:12シーンの実写風画像を作る
画像を12枚作るときに難しいのが、登場人物の顔や服装が途中で変わることです。
そこで、最初に登場人物と映像全体の共通設定を決めます。2枚目以降を作るときは、直前に完成した画像を参照画像として添付すると統一しやすくなります。
全シーン共通の設定
縦型9:16、フォトリアルな実写映画、35mmレンズ、自然な肌、映画的な照明、
海上の木造レストラン、19世紀風の海賊世界、細部まで作り込まれた衣装と背景。
登場人物の顔、髪型、服装、年齢は全シーンで統一する。
画面内に文字、字幕、ロゴ、透かしを入れない。
手足や指を自然に描き、同じ人物を重複させない。
画像生成の基本テンプレート
添付した直前の画像と同じ登場人物、顔、髪型、服装を維持してください。
【登場人物】
【場所】
【動作】
【感情】
【構図】
縦型9:16、フォトリアルな実写映画、シネマティック、自然な人物表現。
文字、字幕、ロゴ、透かしは入れないでください。
12シーン分の画像・動画プロンプト
以下は、そのままコピーするのではなく、完成した画像に合わせて人物の服装や位置を調整してください。
| # | 画像生成プロンプト | Kling AI用・動きのプロンプト |
|---|---|---|
| 1 | 夕暮れの海に浮かぶ巨大な魚型の木造レストラン。細い桟橋の手前で、白いTシャツと薄いジャケットを着た若い男性が驚きながら建物を紹介している。広角、映画の導入シーン。 | 若い男性がカメラへ笑顔で話しかけ、片手で背後の海上レストランを指す。海面が揺れ、旗と服が風になびく。カメラはゆっくり前進する。自然な実写映画の動き。 |
| 2 | レストラン裏の木製デッキ。黒いスーツ姿の金髪の若い料理人が、空腹で座り込む傷ついた海賊の前に温かい料理を置く。海賊は涙をこらえている。 | 金髪の料理人が静かに皿を差し出す。傷ついた海賊が夢中で料理を食べ、涙を流す。湯気が自然に立ち、カメラがゆっくり二人へ寄る。 |
| 3 | 赤いベストと麦わら帽子を身につけた青年が現れ、料理を渡す金髪の料理人を見て明るく笑う。案内役の男性が隣に立つ。海と夕日を背景にした3人の中景。 | 麦わら帽子の青年が料理人を見て笑い、案内役へ話しかける。案内役がうなずく。金髪の料理人は少し照れたように視線をそらす。手持ちカメラ風。 |
| 4 | 海上レストランのデッキで、金髪の料理人、麦わら帽子の青年、案内役の男性が海を見ながら夢について語っている。穏やかな夕暮れ。 | 金髪の料理人が遠い海を指しながら真剣に語る。麦わら帽子の青年が目を輝かせ、案内役が興味深そうに聞く。カメラは3人の周囲をゆっくり回る。 |
| 5 | レストランの大きな扉が激しく開き、傷ついた海賊が、金色の重装甲を着た大柄な船長を肩で支えながら入ってくる。客と料理人が振り返る緊迫した瞬間。 | 扉が勢いよく開き、二人がよろめきながら入ってくる。周囲の客が驚いて立ち上がり、カメラが素早く二人へ振り向く。緊張感のある実写映画。 |
| 6 | 白いコック服と高い帽子を着た片脚の老料理長が、大量の料理を積んだワゴンを海賊たちの前へ押し出す。背後には荒れた巨大帆船。 | 老料理長が料理のワゴンを力強く前へ押す。空腹の海賊たちが一斉に料理へ手を伸ばす。湯気と海風が動き、カメラが料理から海賊たちへパンする。 |
| 7 | 壊れた甲板の中央で、傷だらけの麦わら帽子の青年が大勢の海賊へ一人で立ち向かう。少し離れた場所から、金髪の料理人と老料理長が見守る。 | 傷だらけの青年が立ち上がり、敵へ向かって走り出す。背後で料理人たちが息をのむ。カメラは低い位置から青年を追いかけ、甲板の破片が飛ぶ。 |
| 8 | 壊れた甲板で、傷ついた海賊が金髪の料理人に馬乗りになっているが、攻撃をためらい苦悩している。重装甲の船長が背後から命令している。 | 海賊が拳を振り上げるが、苦しそうに動きを止める。大声で拒絶した直後、力を失って横へ倒れる。金髪の料理人が驚いて見つめる。カメラが激しく寄る。 |
| 9 | 金色の重装甲と多数の武器を身につけた巨大な船長。その前で、傷だらけの麦わら帽子の青年が再び立ち上がる。嵐の前のような空と破壊された甲板。 | 重装甲の船長が武器を振り下ろし、青年が寸前で避けて再び突進する。金属片と木片が飛び散る。激しい手持ちカメラ、迫力のある実写アクション。 |
| 10 | 麦わら帽子の青年の伸びた両脚が重装甲の船長へ巻きつき、船長が逆さまになって甲板へ叩きつけられる決定的瞬間。ダイナミックな低角度。 | 青年の脚が勢いよく伸びて敵に巻きつき、そのまま身体を回転させて敵の頭を甲板へ叩きつける。衝撃で木片とほこりが舞う。カメラが素早く追従し、決着の瞬間だけ軽くスローモーション。 |
| 11 | 戦いが終わったレストランで料理人たちが食卓を囲む。数人がスープを床へ捨て、扉の外では金髪の料理人が座り込み、頭を抱えながら会話を聞いている。 | 料理人たちが険しい表情でスープを床へ捨てる。カメラが扉の方向へ移動し、外で頭を抱える金髪の料理人を映す。彼の目に涙が浮かぶ。静かで切ない雰囲気。 |
| 12 | 朝焼けの甲板。旅立つ金髪の料理人が、白いコック服の老料理長へ深く頭を下げている。料理人たちと案内役の男性も涙を流して見守る。 | 金髪の料理人が歩みを止め、振り返って涙を流しながら両膝をつき、深く頭を下げる。老料理長は黙って見つめ、背後の料理人たちも泣く。カメラがゆっくり引き、朝日とレストラン全体を映す。 |
実際に出力された画像の一部をお見せします。


STEP4:Kling AIで画像を動画にする
画像が完成したら、Kling AIの画像から動画を作る機能へ読み込ませます。

操作画面や利用できるモデルは更新されることがあるため、ここでは変わりにくいプロンプトの考え方を紹介します。
動画プロンプトは、次の順番で書くと整理しやすくなります。
人物の動き
+ 周囲の動き
+ カメラの動き
+ 映像の速さと雰囲気
例:戦闘シーン
麦わら帽子の青年が敵へ向かって勢いよく走る。
両脚が伸びて重装甲の敵へ巻きつき、そのまま回転して甲板へ叩きつける。
衝撃で木片とほこりが舞う。
カメラは低い位置から青年を追いかけ、決着の瞬間だけ軽くスローモーションになる。
迫力のある実写映画、自然で連続性のある人物の動き。
「かっこよく動く」のような曖昧な指示より、誰が、どの方向へ、どんな順番で動くかを短く書くのがポイントです。
一度に多くの動作を詰め込むと崩れやすいため、複雑な場面は「走る」「攻撃する」「倒れる」のように動画を分け、編集でつなぐ方法もあります。
STEP5:12個の動画をつなげる
すべての動画が完成したら、CapCutなどの編集アプリへ順番に並べます。
編集時は、次の点を意識しました。
- 1シーンを長くしすぎず、2〜5秒程度で切り替える
- 動き始める前後の不自然な部分をカットする
- 戦闘シーンは効果音に合わせて切り替える
- セリフは短い字幕で補う
- 同じ画角が続かないように、寄りと引きを交互に使う
- 冒頭1〜2秒に最も動きの大きい映像を置く
AI動画は1本ですべてを完成させようとせず、短い素材を作って編集で見せるほうが整えやすくなります。
うまくいかないときの対処法
顔や服装が変わる
前のシーンの完成画像を参照として添付し、「同じ顔、髪型、服装を維持」と明記します。登場人物が多い場面ほど崩れやすいため、最初は1〜3人の構図がおすすめです。
下記動画はNGです。完全に別の人物になっちゃってますw
人物が勝手に増える
登場人物の人数と位置を明記します。「画面内には3人だけ」「同じ人物を重複させない」なども追加します。
下記動画はNGです。出てきちゃいけないサンジが出てきてしまいます。
動きが不自然になる
一つの動画に複数の大きな動きを詰め込まず、動作を一つずつ分けます。カメラの動きも、最初は「ゆっくり前進」「人物を追従」など一つに絞ります。
セリフと口の動きが合わない
映像生成の段階では会話を長くせず、字幕やナレーションで補います。必要に応じて、口の動きを合わせる専用機能や別ツールを使います。
Kling AIを試す
今回のように、1枚の画像から実写映画風の映像を作りたい場合は、Kling AIの画像から動画を作る機能が使えます。

AIをもっと体系的に学びたい人へ
今回紹介したのは、AI動画制作の一例です。
「仕事でもAIを使えるようになりたい」「画像や動画だけでなく、文章作成や業務効率化も学びたい」という方は、初心者向けのAIセミナーも確認してみてください。
※セミナーの内容、料金、対象者を確認したうえで、自分に必要か判断してください。
まとめ
今回の作り方は、次の4ステップです。
- ChatGPTで実写化用の台本を作る
- 台本から重要な12シーンを抜き出す
- 各シーンの実写風画像を作る
- Kling AIで動かし、編集アプリでつなぐ
いきなり長編を作る必要はありません。まずは好きな場面を一つ選び、1枚の画像を3〜5秒動かすところから試してみてください。



